NHKなどの報道によると、石井氏は1988年、旧運輸省に入省したキャリア官僚で、第五管区海上保安本部長や海上保安庁本庁の次長などを歴任。海上保安庁のトップにキャリア官僚が就任するのは9年ぶりだという。
会見で石井長官は、ウクライナ情勢を背景に露日関係の悪化が懸念されるなかでも、「海難救助などの観点から、(ロシアとの)必要不可欠な連携協力については維持していくことが重要」と述べ、北海道知床沖で発生した観光船「KAZU1」の沈没事故の行方不明者捜索などにおいてこれまで通り露側と連携を図っていく方針を示した。
一方、日本が実効支配する尖閣諸島周辺や太平洋地域で圧力を強める中国の動きに関しては、「接続水域内の航行や領海侵入が相次いでいることは極めて深刻である」との認識を示し、領海警備に万全を期す考えを示した。尖閣諸島をめぐってはこのごろ、日本が実効支配する周辺の領海に中国海警局の船2隻が64時間にわたりとどまり続け、2012年の尖閣諸島国有化以来最長を更新していた。
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