これまでの研究で、最初の真核生物は、古細菌アスガルドの直系の子孫だとみられている。そして、生物研究の世界では、古細菌に感染したウイルスが、真核生物や多細胞生物の出現に重要な役割を果たしたという仮説が存在する。
米テキサス大学オースティン校の研究者らは今回、潜水艇を使って、カリフォルニア湾の水深2000メートルから堆積物や微生物のサンプルを採取した。研究者らがサンプル中の古細菌のDNAを分析したところ、その中にCRISPR(免疫機構として機能するDNA領域)にウイルスのDNA断片を含んでいることを突きとめた。
研究者らは、ロキ古細菌とヘル古細菌という2種類のアスガルド古細菌に感染したウイルスから、比較的大きな(最大で11万7000塩基対)二本鎖DNAゲノムを発見した。これらのゲノムには、原核生物と真核生物の両方のウイルスの特徴があり、真核生物の大型DNAウイルスの遺伝子の1〜5%が含まれていることが判明した。
スプートニクは以前、最初の多細胞生物は酸素がない環境で進化したという研究について報じている。
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