デイヴィスは選手国籍を変える?
ディアナ・デイヴィスは2003年、母親のエテリ・トゥトベリーゼ氏が就労していた米国で誕生。その後、ロシアで育ち、フィギュアスケートを開始。2018年、ダイアナはロシアのグレブ・スモルキンとアイスダンスのペアを組んだ。デイヴィス/スモルキン組はトゥトベリーゼ氏の指導で最初のステップを踏み始め、その後、米国のイーゴリ・シュピルバンド氏の元で研鑽を積んだ。昨シーズン、シニアのデビューを果たした2人は、ロシア選手権で2位となり、オリンピック代表に選ばれた。北京五輪では14位に入っている。
ISUが主催の国際大会へのロシア人選手の出場を停止しても、デイヴィス/スモルキン組は米国代表団の一員として演技を続けるという噂は、もっともらしく響く。若い2人はすでに長い間、米国で生活し、トレーニングを受けてきた。国籍を変えざるを得ないのはペアのうち、スモルキンだけで、米国生まれのデイビスは米国籍を持っている。2人が米国フィギュアスケート連盟にオーディションを受けに行ったという事実もこの噂に信憑性を与えている。
6月初旬、デイヴィスは、ソーシャルメディアに現れ、自分の移籍についての報道に簡潔に、皮肉のきいた一文で応えた。「私たちは、自分自身について思いもしないことを、ニュースを通じて知るわ」
しかし、トゥトベリーゼ氏がコーチをしているスポーツ施設「サンボ70」のレナート・ライシェフ会長はあろうことか、デイヴィスとスモルキンの米国代表への移籍の噂を認めた。会長は次のように語っている。
「エテリ・トゥトベリーゼ氏(デイビスの母)にはこれ以外に米国に留まる理由はない。他の連盟で出場するのは彼らの自由だ。出場させてやったらいい。彼らはどこであろうと自分の能力を発揮することができる。これはロシアのアイデア、ロシア代表の、我々の国の思考、であることに変わりはない」
トゥトベリーゼ氏はロシアに留まるのか?
トゥトベリーゼ氏が渡米して1ヶ月余り。公式には「愛娘に会いに行った」と言われているが、ロシアのメディアは、非公式には「制裁逃れでロシアから逃亡した」と報じている。トゥトベリーゼ氏は、米国でコーチ業をやるという噂に対しては、いつもと変わらず、簡潔にきっぱりと「いつものフェイクよ」と答えた。
ロシア功労コーチのタチアナ・タラソワ氏は、トゥトベリーゼ氏擁護に回り、トゥトベリーゼ氏がロシアに生徒をおいて出ていくことなどありえず、噂はあまり賢くない人たちが流していると断言した。ロシアのアレクサンドル・ジューリン・コーチも、同僚のトゥトベリーゼ氏がロシアを離れることはない、そんな選択肢など考えたこともないはずだと言い切った。トゥトベリーゼ氏はモスクワのソビャーニン市長と良好な関係にあり、自分の監督するフィギュアスケート教室にも問題はない。
五輪チャンピオンのロシアのカミラ・ワリエワ(16)が、トゥトベリーゼ・チームに来て初めて、フィギュアスケートはホビーではないと理解したと打ち明けた記事はここからお読みいただけます。
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