同大学の研究者らは以前、リゾホスファチジン酸(LPA)が摂食行動において重要な役割を果たすことが、マウスを使った実験で突きとめていた。つまり、マウスは脳内のLPA濃度が高くなると餌を探すようになるが、オートタキシン阻害剤を投与すると、LPAの濃度が低下し、餌を探さなくなるという。
そこで研究者らが今回、肥満のマウスに阻害剤を定期的に注射する実験を行ったところ、マウスの体重が減少するようになったという。研究者らは、「LPAシナプスのシグナル伝達に問題がある人は、太りやすく、II型糖尿病を患う可能性が高い。このことは、我々が現在開発中のオートタキシン阻害剤を人体に使用した場合、治療効果が期待できることを示している」と説明している。
研究者らは今後、ヒトでの治療に向けて研究を行っていく予定で、将来的にこの手法を神経疾患や精神疾患の治療にも応用したいとしている。
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