「フィナンシャル・タイムズ」は、ある日本政府高官が「我々は(「サハリン2」に)残る」と語ったと報じている。その高官によると、日本企業は新たな運営法人がロシア政府に税金を納めることとなっても残留する意向だという。
「サハリン2」は日本にとって、「とても有利な」条件で天然ガスを調達できる長期的契約だ。萩生田経済産業相もこれまでに「(サハリン2から)どけと言われてもどかない」と述べるなど、エネルギーに乏しい日本にとっては重要なプロジェクトに位置付けられている。
NHKによると、萩生田経産相は1日、今回の大統領令で新たに設立されるロシア法人が日本の権益を取り上げる「接収」とは異なるとの認識を示し、日本のエネルギーの安定供給のため関連企業や省庁と連携して対応する考えを明らかにした。
一方、日本はウクライナ情勢を背景とした対露制裁において、欧米との協調も重視せざるを得ない状況にある。燃料価格の高騰や猛暑による電気不足という苦しい環境のなか、日本は自国のエネルギー安全保障と欧米の同調圧力の狭間に立たされ、難しい判断を迫られている。
プーチン大統領は1日、「サハリン2」の運営を新たに設立されるロシア法人に移管し、現行の「サハリン・エナジー」の資産を無償譲渡するよう命じる大統領令に署名。これに伴い、「サハリン2」に出資していた外国企業は、 事業の継続、又は株式の売却を1ヵ月以内に決定するよう迫られている。経済産業省によると、「サハリン2」の天然ガスは、日本の総発電量の約3%を占めている。
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