2019年にSNS上で誹謗中傷を受けたプロレスラーの木村花さん(22)が命を絶ったことが法改正につながった。侮辱罪の法定刑はこれまでは「30日未満の拘留」または「1万円未満の科料」だったが、犯罪の抑止力になっていないとして「1年以下の懲役・禁錮」または「30万円の罰金」が追加された。また時効も1年から3年に延びるため、加害者の特定に必要な時間がかけられるとみられている。木村さんの母親で厳罰化を訴え続けていた響子さんは、6月に改正刑法が成立したのを受けて「やっと、という思いが強い。ひぼう中傷は犯罪だと多くの人に認識されることで、さらにこまやかな法整備につながると期待している」と話した。一方で、今回の厳罰化で政治批判が自由にできなくなるのではないかという指摘が出ていることから、改正法の付則には表現の自由に対する制約になっていないか、3年後に有識者を交えた検証を行うことが盛り込まれた。