安倍晋三元首相襲撃事件

木板で銃の試射か 前日の岡山での襲撃は断念 安倍元首相銃撃事件で分かってきたこと

日本の安倍元首相が奈良市で選挙演説中に銃撃を受けて死亡した事件で、奈良県警は殺人容疑で送検された同市大宮町3の無職、山上徹也容疑者(41)の自動車から銃痕とみられる複数の穴があいた木の板を押収した。山上容疑者は「銃の試射のために使った」と説明しているという。10日、日本の各メディアが伝えている。
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朝日新聞によると、奈良県警は9日、山上容疑者宅近くの契約駐車場にあった容疑者名義の軽自動車を押収。荷台には約1メートル四方の複数の木板があり、全てに複数の穴が空いていたという。
また、読売新聞は、山上容疑者が事件で使った手製の銃について、「一度に6個の弾丸を発射する仕組みだった」と供述していると伝えている。供述によると、銃は金属製の筒を2本束ね、木製の板やテープで固定されており、筒の中には6個の弾丸を込めることが可能なカプセルを入れていたという。
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このほか、NHKによると、山上容疑者は事件の前日にも岡山の演説会場を訪れていた。ただ、容疑者は「元首相を殺害しようとしたが、入り口で入場手続きが行われているのを見て難しいと思った」という趣旨の供述をしているといい、厳重なセキュリティのため岡山での犯行を断念したとみられる。事件当日は演説の始まる1時間以上前には現場に到着していたとみられるという。
これまでの調べに対して山上容疑者は「爆弾を作ろうとしていた」「銃は一丁だけではなく複数作っていて、今年の春ごろにはできていた」などと話しており、計画的な犯行だったとみられている。容疑者宅の家宅捜索では手製の銃が数丁見つかっていた。
また、事件の動機について山上容疑者は、「安倍元首相が特定の宗教団体と関係があると考えて殺そうと思った」という趣旨の供述をしている。「母親が宗教団体にのめりこみ恨みがあった」、「家を破産させられた」、「もともとトップを殺そうとした」などと話しているという。警察は詳しい動機の解明を進めている。
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安倍晋三元首相は8日午前11時30分ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前での街頭演説中に銃で撃たれた。警察の発表によれば、安倍元首相は撃たれた直後は意識があったものの、病院へ搬送されている間に心肺停止状態となった。その後、午後5時3分、安倍元首相は搬送先の病院で死亡が確認された。治療にあたった病院によると、死因は失血死とみられている。警察は、元海上自衛官の山上徹也容疑者(41)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
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