研究の過程で、研究者らは以下の3つの結論を導き出した。
睡眠不足の蓄積により、身体への影響を批判的に認識することが出来なくなる。
2~3晩で回復した後でも、脳内では警戒とエピソード記憶(時間や場所、感情を含む個人的な記憶のこと)が不足した状態が続く。それにより、休息したという実感があっても、睡眠不足は解消されていない。
慢性的な睡眠不足は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性障害の発症を高める。
両研究者は、睡眠不足の研究において必要な条件について指摘する。 睡眠不足を評価するには、まず睡眠不足の状態になる必要があり、睡眠不足による悪影響を考えた場合、研究者らは倫理的なジレンマに直面する。
この間、アルツハイマー病に関係する重要な「タウ・タンパク質」が過剰になると、マウスの脳内でニューロン間の信号伝達が損なわれ、記憶や他の認知機能に影響を与えることが、日本の研究で明らかになっている。