エジプトは60年ほど前から原発の建設を強く望んでいたが、ロスアトムにとってもこれは特別なプロジェクト。大規模の受注であるというだけでなく、同社にとってアフリカ大陸で初の原発となりるためだ。このプロジェクトの契約金額は数百億ドルとみられており、同社のアレクセイ・リハチョフ社長は、この契約はロシア史上最大の非コモディティ輸出契約だと述べている。
エル・ダバ原子力発電所は、エジプトの首都カイロから350キロ離れた地中海沿岸のマトルーフ県に建設される。この原発には第3世代+(プラス)原子炉「VVER-1200」が4つ建設され、総発電量は約480万キロワットとなる予定。
エジプトは、このプロジェクトを持続可能な開発戦略の重要な部分とみている。第一に、エジプトのエネルギー供給システムの信頼性を向上させ、国の経済や産業界からの電力需要の増加に対応できるようになるからだ。さらに、この原発は、エジプト政府にとって貴重な炭化水素資源である石油や天然ガスの保全・無駄のない利用にも貢献することになる。