ブルームバーグによると、日鉄はLNGの取引に使われる百万英国熱量単位あたり約40ドル、計約13億5000万ドル分のLNGを購入。9月ごろに輸送される見込みだとしている。この額は日本の歴史上では初めて。
背景にはウクライナ情勢の悪化後に加速した世界的なエネルギー危機による、燃料を輸入する国々の需要の高まりがある。記事は日本も電力需要の高まりといった問題を抱えているため、高値で購入せざるを得なくなったと指摘する。
日本は今年、電力不足を解消するため、世界で最も大口のLNG輸入国になるとみられている。日本政府は7年ぶりの節電要請を行い、最大9基の原子力発電所の再稼働も進めている。7月中旬には萩生田光一経済産業大臣が米国やオーストラリアに対し、LNGの増産や日本への安定供給を求めていた。
日本への天然ガス供給をめぐっては、ロシアのプーチン大統領が7月1日、日本企業が出資するロシア・極東の天然ガス開発計画「サハリン2」の現行のオペレーターである「サハリン・エナジー」の資産、また権利や義務を、新設されるロシア企業に移すことを定める大統領令に署名した。これを受け、日本政府は、ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に関する日本企業の権益維持を目指す方針を固めたことが明らかになっていた。
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