EUによるロシア産石炭の購入量は、ロシア産エネルギー資源禁輸が宣言された4月と比較して8割増。Eurostatの最新情報によると、EUの5月の石炭購入量は470万トンで11億ユーロ(約1550億円)、対する4月は260万トンで7億ユーロ(約986億円)だった。禁輸が正式に効力を発するのは現行契約が終了する8月だ。
フィナンシャル・タイムズ紙はアナリストの話として、6月にEUはロシア産石炭輸入を170万トンまで大きく減らしたとしているが、この間の公式統計は今のところ出ていない。
EU域内の割合としては、輸入量の約半分はオランダが占めている(220万トン、4月比で4倍増)。ポーランドはかつてロシア石炭の主要な買い手であったが、5月には輸入量を95%減らし19200トンの調達となった。ポーランドは現時点で代替を見つけていない。モラヴィエツキ首相は17日、同国は近いうちに石炭入手の問題に直面すると発言している。
制裁発動以前は、EUの石炭輸入の65%はロシアに頼っていた。すでに世界は石炭不足にあることから、同量を確保することは非常に困難で、追加量を提供できるのはコロンビアと米国の2か国のみとされている。
ロシアは輸出先をアジアに切り替えており、主な購入者は中国とインドになる。日本と韓国はすでにロシア産石炭の輸入を削減する方針を発表している。
関連記事