生理学研究所の研究者は、母親のストレスによって生じる低酸素状態を、ラットを使ってモデル化した。このアプローチにより、貧血や胎盤不全、心臓や肺、腎臓の疾患などを伴う妊娠など、人間の出生前のさまざまな病態の影響を調べることが可能となる。
「我々の研究により、ニコチン中毒を発症しやすいのは、脳の『報酬系』の構造を形成する胎児期の酸素不足にあることが判明した。この脳内システムの主な伝播物質はドーパミンであり、この成分により心地よい感覚を感じることができる」
これらの結果は、妊娠14〜16日目のラットの子宮内の発育状況の研究で明らかとなった。この期間は、人間の胎児でいえば5〜8週目に相当する。
研究者らによれば、得られたデータは、ニコチン依存症の予防策と治療法の開発にとって重要だという。
通信社「スプートニク」は以前、喫煙により心不全の発症リスクが2倍になることが、米国のジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院(BSPH)の研究で明らかになったと報じている。
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