マッタレッラ大統領はドラギ首相とラモルジェーゼ内務大臣の辞表を受け入れた。イタリアではドラギ首相がほぼすべての政党が参加する連立政権を率いてきたが、20日に行われた内閣の信任投票で連立を組む主要な3つの政党が政権運営への不満を理由に投票を棄権した。
これで2023年春に予定されていた議会選挙は2022年9月に前倒しされる形となる。秋に議会選挙が行われるのは、過去100年間で初めて。また、イタリアでは2020年の国民投票で議員数を現在の約1000人から600人にまで削減することが定められた。そのため、新たに選ばれる議員の数は大幅に減少する。
ドラギ首相は新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の回復を進めるとともに、ウクライナ情勢をめぐってドイツやフランスと歩調をあわせ、ロシアに対する制裁の強化やウクライナへの武器支援などを積極的に進めてきた。
イタリアでは物価の高騰や、輸入量の40%を占めるロシア産天然ガスへの依存を減らすことも大きな課題となっており、政治の混乱が長期化することで経済や外交に影響が及ぶことへの懸念が高まっている。
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