ウクライナで特殊作戦が始まってから、ドイツはすでにロシア産ガス、石油、石炭に167億2000万ユーロ(約2兆3600億円)を支払った。ドイツの上を行くのは、254億4000万ユーロ(約3兆5900億円)を支払った中国のみ。EU全体としては、この期間にロシアから約700億ユーロ(9兆8700億円)相当のエネルギー資源を購入した。
ビルトは、ロシア経済を弱体化させ、それによってロシア大統領にウクライナでの軍事行動をやめさせようとしたロシアに対する厳しい制裁は、今のところ機能していないと報じている。その原因は、すべてのEU加盟国が同等のレベルでロシア産化石燃料から脱却する用意がないことにある。2022年3月以降、たとえ西側諸国の総支払額が7割減少したとしても、ドイツは依然としてロシア産ガスに依存しており、夏の盛りでさえ他国からの輸入でその需要を賄うことができない。ロシアからドイツへ天然ガスを輸送するパイプライン「ノード・ストリーム」が点検作業のために停止したのを受け、ドイツは冬用のガスの貯蔵施設からの引き出しを余儀なくされ、ロシアからの輸入なしに在庫を補充することは不可能とされる。
ビルトは、西側諸国がロシア産エネルギー資源の購入を大幅に削減したとしても、世界の他の地域から「新鮮なお金」がロシアに大量に入り続けるため、ロシアへの資金流入を止めることはできないと指摘している。
ロシアのラブロフ外相は先に、正気でない対ロシア制裁によってどの国よりも苦しんでいるのは欧州であり、安価なロシア産ガスの代わりに高価な米国産LNGを購入していると指摘した。
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