研究者らは、ハワイ島の火山活動によってできた溶岩洞、噴気孔などに生息する微生物を調査するため、現地の70箇所でサンプルを採取した。その後、研究者らはサンプルに含まれた微生物のRNA遺伝子を解析し、現地に生息する細菌群集の大まかな地図を作成した。
その結果は研究者の予想を超えるもので、ハワイで500年以上前に形成された溶岩洞や噴気孔には非常にユニークな生命体が生息していることが分かった。研究者らが遺伝子解析をしたものの、既知の属や種と比較できる微生物はなかったという。
この研究を行った米サウスカロライナ大学のレベッカ・プレスコット氏は、「今回の発見は、溶岩洞と噴気孔にはあまり知られていない多様な生態系があることを示唆している」と述べている。またこれまでの研究では、全微生物の99.999%が未知であるという仮説がでており、このハワイでの研究は、微生物という生命体がいかに解明されていないかが明らかになった。
近年、火星に近い環境とみられている地中の微生物に注目が集まっている。スプートニクは以前、南極大陸の「血の滝」の源には多くの微生物が生息しており、この滝から採取した物質を分析したところ、火星には居住可能な地域があることが明らかになったという研究について報じた。
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