野心的な企み
ガーディアン紙は、五輪では毎回、選手とゲストの安全を確保することが開催国の最大の課題となると強調。パリ五輪の開会式では、選手と代表団がセーヌ川をボートで移動し、それを60万人の観客が両岸から眺めるという形式を予定している。しかし専門家は、この計画はあまりにもリスクがありすぎ、セキュリティ対策は現時点で解決されていないと考える。予想されている対策としては、警察ダイバーの組織、爆弾除去チームの編成、ドローン攻撃を防ぐため空の封鎖などがある。著名人の中には、このアイディアを捨て、開会式を例えばエッフェル塔に移すことを求めている。
最重要課題の財政
セキュリティ問題に加え、フランスは財政問題も解決できていない。マクロン大統領は、2024年パリ五輪は「フランスの大勝利」になると約束している。大統領は、五輪は全世界に今のフランスの姿を示すものになると語る。一方で大会費用は80億ユーロ(約1兆1100億円)と見積もられており、そのうち国庫負担はわずか10億ユーロ(約1390億円)。参考までに、2012年ロンドン五輪の総額は106億ユーロ(約1億4700億円)、昨年の東京五輪は130億ユーロ(約1兆3100億円)だった。また高インフレに伴い、当初予算額を大幅に上回る恐れもある。加えて、ウクライナ情勢により五輪村建設資材の調達が滞る事態もすでに起きている。
運営上の諸問題
大会組織委員会は競技施設の95%について既存の施設を利用する予定だった。しかし現時点で施設所有者の多くと合意に至っていない。一方で、射撃や馬術などの一時施設の建設は当初見積を大幅に上回ることも明らかになった。ガーディアン紙によると、フランスは大会運営スタッフの確保さえもできていないという。例えばセキュリティ担当には2万2千人、バス運転手に1500人が必要とされる。しかし現在のフランスには、これだけの数の自由に空いている労働者はいない。パリ五輪組織委員会は全く羨ましい状況にないと同紙は結んだ。
スプートニク通信はこれより前、仏政府が五輪開催前にエッフェル塔を金色に塗り直すことを決めたことを伝えた。
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