ペロシ議長は会見で、中国の軍事演習での弾頭ミサイル発射などについて、「今回の自分たちの台湾訪問を口実にしたものだろう」と批判した。議長は台湾について「素晴らしい民主主義」だとし、その価値観を日本などの連携して維持していく必要性を指摘した。ただし、現状変更を望まない姿勢も改めて示した。
先に岸田首相とペロシ下院議長は5日、首相公邸で記念撮影に臨んだあと、午前8時からおよそ1時間、朝食を交えながら会談を行った。
首相は会談で、中国の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したことなどについて「地域や国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」と述べ、軍事訓練の即刻中止を求めたことを明らかにした。
アジアを歴訪中のペロシ議長は日本訪問に先立って現職の下院議長としては25年ぶりに台湾を訪れて蔡英文総統と会談した。中国側はこれに反発し、4日から台湾周辺で始めた軍事演習で弾道ミサイルを発射し一部は日本のEEZ内に落下したと推定されるほか、国際会議にあわせてカンボジアで予定されていた日中外相会談が見送られた。
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