穀物合意 現状と今後の展開

「穀物合意の完全履行が不可欠」=ロシア・トルコ首脳が4時間にわたり会談

ロシアのウラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は5日、露南部のソチで会談し、穀物問題やシリア情勢、二国間関係について議論した。会談後には共同声明が発表された。
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共同声明の主な内容は次のようになっている。
・ロシア産穀物の輸出も含む、穀物問題に関するイスタンブール合意の完全履行が必要
・両国はシリアの政治的統一と領土的一体性の維持を支持
・両国は物流、産業、農業、建設分野などで二国間関係を深める
・両国は貿易を増大させ、エネルギー問題に双方の期待に沿う形で臨む
・トルコはロシア産ガスの代金の一部をロシアの通貨・ルーブルで支払う
飢餓対策にロシアはどれだけ穀物輸出できるか
会談の冒頭でプーチン大統領は、ウクライナ産穀物の輸出やロシア産穀物の世界市場への供給に関するトルコや国連の仲介について「多くの国、特に食糧や肥料供給の大きな問題に直面している発展途上国にとって大変重要な解決策」と評価。トルコ側の尽力に対し、エルドアン大統領に謝意を伝えた。
穀物問題をめぐっては、トルコ・イスタンブールで7月、ロシア、トルコ、ウクライナ、国連が協定に署名。協定ではウクライナに滞留する穀物の輸出のための安全確保のほか、ロシア産の穀物の世界市場への輸出などが定められている。第1号となる貨物船はすでに黒海を抜け、輸出先のレバノンに向かっているほか、5日には第2陣となる3隻が黒海沿岸の港を出港したと報じられている。
プーチン氏「シリアのテロリストに永久に終止符を打たなくてはならない」 露・トルコ・イラン首脳会談
また、会談でプーチン大統領はロシアとトルコがシリアの安定化に関して貢献してきたとの認識を示し、「この問題は避けて通れない」と重要性を強調。エルドアン大統領も「会談によってシリア情勢の明確な緩和が期待される」と応えた。
一方、ロシア、トルコ、欧州を結ぶガスパイプライン「トルコ・ストリーム」に関してプーチン大統領は、欧米の対露制裁で供給が不安定となっているバルト海を経由する「ノルド・ストリーム」などとは異なり、「律動的に、乱れなく動いている」と指摘。「欧州はロシアからのガス供給に関してトルコに感謝すべきだ」と述べた。
また、エルドアン大統領はロシアとトルコが「二国間関係の新しいページを開くと期待している」と連携を強調。露原子力企業「ロスアトム」によるトルコでの原発建設における協力を含む協力を深化させる考えを示した。
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