ロイター通信によると、台湾海峡や周辺の海域は、東アジアと欧米を結ぶ重要な航路となっており、日本からのコンテナ船やタンカーも台湾東部を通るルートを主な海路として使用している。だが、中国による周辺海域での軍事演習の強化を受け、一部の貨物船が台湾海峡を迂回しており、約半日の遅れが出ているという。
専門家は、現時点で大きな混乱は見られないものの、緊張が長期化すれば世界の物流網に混乱が生じるリスクがあると指摘する。新型コロナウイルス流行によるロックダウンからの回復途上にある海運業界にとっては、台湾迂回により更なる時間とコストが発生することとなり、小さくない痛手になりそうだ。
ペロシ米下院議長は2日に訪台。蔡英文総統と会談し米台の連携を確認した。
台湾を自国の領土と見なす中国は、ペロシ下院議長の訪台を「一つの中国」原則に反する主権の侵害と強く抗議。中国軍は4日から、台湾周辺の6つの空・海域で、実弾射撃を伴う大規模な軍事演習を行うなど、台湾海峡の緊張が高まっていた。
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