ウクライナ情勢の悪化以降、早急にロシアから撤退したフランスの銀行「Societe Generale SA.」は撤退に伴い約33億ユーロ(4530億円)の損失を出した。
一方、ロシアに残った企業はルーブル高のおかげで、ロシア事業での利益が増えているという。オーストリアの「ライフフェイゼン銀行」は、ウクライナ情勢の悪化後、取引を約2割縮小させているものの、この間に資産は約31億ユーロ(4260億円)増大した。ルーブル高のほか、ロシア国内経済の復興も利益増大に貢献しているという。
多くの欧州の銀行がロシアからの撤退を模索しているものの、性急な撤退は巨額の損失につながる。だが、制裁やウクライナ情勢の先行きが不透明ななか、タイミングを逃せばそれもまたリスク要因となる。このようなジレンマに陥るなか、欧州の銀行は難しい判断を迫られている。
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