長い間、類人猿は自分の感情をコントロールできないと考えられていた。この研究は、チンパンジーが社会的目標の達成のために自分の感情をコントロールし、聴衆に調子を合わせることさえ可能であることを示した。
発表によれば、研究者らは、ボノボ(チンパンジーの種類)の 2 つのグループを観察した。研究者らは調査の中で、攻撃を受けたチンパンジーがどのように行動するかに注目した。
チンパンジーは、グループの他のメンバーから慰めてもらう機会をより多くするため、口をとがらしたり、泣き言を言ったり、癇癪を起こしたりするなどの特別な仕草で、自分の苦しみを周囲に伝えることが判明した。
こうした行動はチンパンジーの子供の典型だが、大人のチンパンジーもこうした行動をとっている。チンパンジーは自らが求める援助を受けると、そうした仕草をやめる。
さらに、これらの仕草は、近くにいるチンパンジーの数が多いほど顕著だった。これは、大人のボノボが同じチンパンジーの群れを感情によって操っていることを意味している可能性が高い。
しかも、感情による操作は非常に効果的であることが証明された。実際、攻撃をうけたチンパンジーは、周囲からの支援を受けるだけでなく、再度暴力を受ける可能性が低くなる。
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