IAEAのグロッシー事務局長は、ロシア、ウクライナ、国連との協議を活発に行い、IAEAの専門家からなる使節団をザポリージャ原発に派遣すると述べた。グロッシー氏自らがこの使節団の指揮をとる予定だという。
米国は、ザポリージャ原発周辺を非武装地帯にするというウクライナ側の提案を支持し、「ロシア軍は直ちにウクライナ領から撤退すべきだ」と述べており、これによりウクライナ側が「予防的措置を遵守した上で、ザポリージャ原発の安全性と運転」を維持できると主張している。これよりも前、G7外相は、「ウクライナの主権が原発地域で尊重されることを条件」にIAEAの使節団派遣を支持する用意があるという内容の声明を発表した。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、同原発の周辺に「安全を保障するための境界線」を設けるように求めた。一方でザポリジャー州当局は、ロシア軍の兵士が原発から撤退すれば、原発は無防備になり、取り返しのつかないことが起こるため、そのような立場をとるのは「無責任」であるとの考えを示した。
また、ザポリージャー州の行政機関は、ウクライナ軍による砲撃の結果、原発の発電量は最小限にとどまり、原発の稼働を停止する可能性も否定できないと発表した。