日本のロケット、露「ソユーズ」の代わりに? 新パートナー探す欧州宇宙機関

ウクライナ情勢を背景にロシアとの協力を中止した欧州宇宙機関(ESA)が、露ロケット「ソユーズ」の代わりとなる打ち上げ方法を探している。候補には米実業家のイーロン・マスク氏の民間宇宙企業「スペースX」社のほか、日本やインドも挙がっているという。ロイター通信が伝えている。
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ロイター通信によると、ESAのジョセフ・アシュバッハー事務局長は、「ソユーズ」の代替え手段の候補について次のように明かした。

「スペースXという選択肢は明らかだが、もう一つの可能性として日本もある。日本は次世代ロケット第1号の打ち上げを待っている」

現時点では第1候補は「スペースX」だが、日本のほかにインドという選択肢も検討されているという。アシュバッハ―会長は「バスの乗り換えのようにはいかない」と述べ、技術的側面や安定性を慎重に検討して決定する考えを示した。
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また、今回の一件を「モーニングコール(目覚ましコール)」と呼び、「これまではロシアに頼りすぎていた」と指摘。欧州の宇宙事業の能力と独立を強めることの重要性に気づかなくてはならないと強調した。
ESAは火星探査計画「エクソマーズ」でロシアの宇宙機関「ロスコスモス」のロケットを使用する予定だったが、ウクライナ情勢を受け、協力の凍結を発表。7月には解除を否定し、事実上の協力関係の解消を通告した。また、これまでにロスコスモスは、2024年以降に国際宇宙ステーション「ISS」から撤退すると決めている。
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