「認知領域」は、人々の認識や世論をめぐる軍事領域で、陸、海、空、宇宙、サイバーに次ぐ第6の戦場と言われている。具体的にはプロパガンダを利用し自国世論を操作したり、敵国の情報工作などに対抗することなどが考えられ、「制脳戦」ともいわれる。インターネットやSNSの普及で情報があふれる現代において、その重要性は増している。
産経新聞によると、防衛省は来年度当初予算の概算要求に「認知領域」の活動を加え、海外の「偽情報」を分析し、自国に有利になるような「正しい情報」を発信する態勢を強化するとしている。また、宇宙、サイバー、電磁波の3つも組み合わせた「領域横断作戦能力」の構築を目指すとしている。
防衛省は今年度、海外の情報収集に特化した「グロバール戦略情報官」を新設。情報発信についても「戦略的コミュニケーション」の観点から部局横断チームを設置し、中国語で米国との共同演習に関する情報をSNSで発信したりしている。また、露軍のウクライナにおける特殊軍事作戦の戦況についても、情報収集・分析し、積極的に公表している。
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