仏ワイン製造協会「Vignerons Engagés」のアメリ・ペティ氏によると、2022年は年初の寒気や雹(ひょう)の被害でブドウ生産が落ち込んでいた。それに加え干ばつが例年より早く始まり、ブドウの花が開いた時期に水分が少なくなったことや、一部地域では40度を超える記録的な猛暑によってブドウの水分が抜けてしまったことなどもワイン生産量に影響しているという。
最も被害を受けた地域は、ロワール地方、ブルゴーニュ地方、ボルドー地方などとなっている。ブルゴーニュ地方は日本人にも人気の仏産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」の生産地として知られるボジョレーを含む地域だ。
干ばつによる日本へのワイン輸入の影響は現段階では未知数だが、朗報もある。今年のワイン生産量は当初見込んでいた50億リットルより少ないものの、44億リットルは供給できる見込みだ。これは寒気によるブドウの不作となった昨年(37億リットル)より多い。ペティ氏は「一部で困難な状況となっているが、今年のワイン生産の量と質は『壊滅的』ではない」としている。
日本の飲料大手「サントリー」は7月、今年の「ボージョレ・ヌーボー」について、750ミリリットル入り瓶の参考価格を昨年より約1000円以上高い3850円に引き上げると明らかにしていた。
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