今年7月、ロシアは2024年以降に国際宇宙ステーション(ISS)から撤退し、独自のプロジェクトを始動する意向であることがわかった。シャー氏は、このロシアの決定について、西側による経済制裁を緩和するためにISSをめぐる協力を切り札にすることを目的としたものではないとの考えを示している。実際に、ロシアは独自の宇宙ステーションの建設を主張した最初の国ではない。シャー氏は、中国やインドなどの新興宇宙大国には、月ミッションや独立した宇宙ステーションを地球低軌道に建設する計画があると指摘している。
シャー氏によると、さらに中国は独自の宇宙ステーション「天宮」の3つのモジュールのうち2つをすでに打ち上げており、最後の1つは年内に打ち上げる予定。インドも、独自の宇宙ステーションを2030年までに構築する計画。このような出来事の進展を考慮すると、十分なリソースと野心を持つ他の国々が、今後10年間でこれらの国に続く可能性がある。シャー氏は、一方で地球低軌道は現在すでに混雑していると警告している。
すでに4000基以上の人工衛星が地球の周りを回っており、そのうち3000基が低軌道にあるが、これで終わりではない。米国は大規模な新たな軍用衛星群を軌道へ打ち上げる準備を進めている。しかし、宇宙はすでに2500基を超える民間のスターリンク衛星でいっぱいになっている。シャー氏は、次の10年で地球軌道上の人工衛星の数は5万基に達するとの見方を示している。シャー氏は、宇宙に関する法律について、すべてのプレイヤーのための活動に関する一般的なルールを定めた1967年の「宇宙条約」を除いて、成果はなにもないとの見方を示している。シャー氏は、問題の政治的側面は技術開発に大きく遅れをとっており、特に少なくとも地球低軌道でコンセンサスに達することができない場合、これは最も深刻な結果を伴うと指摘している。
スプートニクは先に、ロシアの新たな宇宙ステーションについて報じた。設計エンジニアのマルガリータ・シドロワ氏はスプートニクのインタビューで、ロシアの新たな宇宙ステーションはその独自の軌道のおかげで地球の表面全体をより広範かつ詳細に調査し、地上で発生するすべての自然現象をモニタリングできるようになると語った。
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