「勢力争いの地」:西側が北極圏における露中の脅威を誇張するのは抑止が目的

将来的に北極圏は世界的な勢力争いの地域となり、米国をはじめとする西側諸国はすでに、ロシアと中国がこの地域に存在することがまるで脅威であるかのように誇張している。このことは、中国の北極政策を完全に歪め、安全保障を口実にロシアを抑止することを目的としている。中国国営新聞「環球時報」が報じた。
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以前、北大西洋条約機構(NATO) のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、極北におけるロシアと中国の協力はNATO 諸国の利益に合わないとし、同機関はこの地域でのプレゼンスを強化していると語った。ストルテンベルグ事務総長は、北方におけるロシアの戦力はNATOにとって戦略的な課題であり、また、中国は北極圏で存在感を高め、大型砕氷船の建設を計画し、極北におけるエネルギー事業やインフラ整備、研究プロジェクトに数百億ドルを投資していると指摘した。
米国 ロシア・中国の協力拡大に懸念=ポリティコ紙
多くの中国の専門家によると、北極圏は将来的に世界的な勢力争いの中心地域になると同紙は報じ、このことが、なぜ米国がロシアとの軍事的勢力争いと地域における同盟国との調整改善の強化を推進したかについて説明していると指摘する。
しかし、同紙は、北極における中国とロシアの誇張されたプレゼンスは、米国をはじめとする西側諸国が、両国を戦略的脅威に仕立て上げたもので、それによって北極地域の国々に影響を与えようとする悪意ある試みの表れだと報じた。また、このことは、「中国の北極政策の完全な歪曲であり、安全保障を口実にロシアを封じ込めることを目的としている」のだという。
中国国際問題研究所の欧州研究部の代表は同紙のインタビューに、「変わりゆく北極圏は、将来、大国間の新たな勢力争いの地となるため、地政学的状況に影響を与えることになるのは間違いない」と語った。
日本は米国に追従して「中国の脅威」を無責任に煽り立てるのをやめるべき=中国国防省
同氏によれば、現在、この地域における米国の主な優先事項は、ロシアの活動の増加に対応することであり、また、軍事的プレゼンスに加えて、将来的にこの地域の航路を管理することも重要な課題となっているという。
同代表は、特に、スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟した後、ロシアはバルト海への水路に関して一定の制限を受けることになり、極北でさらなる水路を探すことがロシアにとって戦略的に重要になると強調した。
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