ロシア産石油の価格上限設定、エネルギー市場とG7そのものに打撃=米アナリスト

主要7カ国(G7)により発表されたロシア産石油の価格上限設定は、世界のエネルギー市場の状況を悪化させ、G7諸国にも打撃を与えるだろう。米ワシントンにあるユーラシアセンターのアール・ラスムセン副所長が2日、リアノーボスチ通信に対しこのような見解を語った。
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2日、オンラインで開かれたG7財相会談で、12月5日からロシア産石油の価格に上限を設定することで合意した。他国にもこの取り組みに参加するよう呼びかけられた。
ラスムセン氏は「G7の決定が望ましい効果をもたらすとは思わない。むしろ、石油の需要をさらに増大させ、エネルギー危機をさらに悪化させる可能性が高い」と述べた。
ロシア産原油の価格上限設定により世界的価格を押し下げる=ホワイトハウス
ロシア産石油の価格上限設定は、結局のところ、欧米経済にさらなる圧力をかける可能性があり、その結果、社会不安と政治的混乱を伴うとラスムセン氏は説明した。
また、ラスムセン氏は、G7諸国が新たな買い手に対して二次的な制裁の導入を決定しない限り、ロシアは必要に応じて、世界の他の地域で石油の新しい市場を容易に見つけることができると強調。
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ラスムセン氏の観点では、ロシア産石油を輸入していない米国も、他のG7諸国が深刻な経済的・政治的問題に直面した場合、米国主導の有志連合の結束が脅かされるため、深刻なリスクを抱える。
「これは欧州の同盟国間の分裂につながる可能性がある」とラスムセン氏は予測した。
ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相は2日、ロシア産石油の価格上限設定という考えは全く馬鹿げており、ロシアはそれを支持する国には石油や石油製品を供給しないだろうと表明した。同時に、ロシア産石油の価格に対する制限の導入は市場を破壊することになり、他の生産国もそのような取り組みには積極的に反応しないだろうと述べた。
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