「我々による対露制裁が今後のガス供給を阻害するものだとして(ロシア側は)反発しているが、我々はここで屈することはないとはっきりと言わなくてはならない」
ベアボック外相は、ロシアと欧州をつなぐガスパイプライン「ノルドストリーム1」の稼働停止について、ロシア側が技術的問題を理由に「ゆすり」をかけていると批判。ロシアがドイツのエネルギー安全保障を脅かしているとし、この脅威を避けるためには「化石燃料への依存からの完全脱却」が必要だとの認識を示した。
ベアボック外相は再生可能エネルギーの推進・二酸化炭素の削減などを掲げる環境政党「緑の党」の党首としても知られている。
ロシア側はこれまでに政治的圧力の武器として、ガスや石油を利用しているとの批判を否定してきた。ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は、ロシアは自らの責任をすべて果たす用意があるのに、欧州連合諸国やカナダ、米国、英国などが制裁を発動していることによってガス供給が阻害されていると指摘している。
ロシアの政府系エネルギー企業「ガスプロム」は、点検のため「ノルドストリーム1」の稼働を3日まで一時停止するとしていたが、タービンにオイル漏れの故障が見つかったことによりその後の供給も停止すると発表していた。
ドイツではウクライナ情勢の悪化後、エネルギー価格の上昇と燃料不足が深刻化している。一方、ドイツにおける今冬のガス備蓄の充足率は85パーセントを超えており、ショルツ首相も「2度とロシアからガスを輸入しなくても冬を乗り切れる」と強気の発言をしていた。
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