日本、南西諸島に火薬庫増設へ 対中見据え継戦能力を強化=日経

日本の浜田靖一防衛相は、南西諸島地域に燃料タンクや火薬庫を増設する考えを明らかにした。7日、日経新聞が伝えている。自衛隊の「継戦能力」の弱さが指摘されるなか、政府は台湾・対中有事を念頭に備蓄・補給面での防衛力強化に踏み切る。
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日経新聞のインタビューで浜田防衛相は、「航空機や艦艇などの装備品のみならず、これらに搭載する弾薬の確保が必要」との認識を示し、持続性や機動展開能力を強化すると述べた。具体的には奄美大島(鹿児島県)の陸上自衛隊瀬戸内分屯地への弾薬庫の増設を挙げた。相手の射程外から敵の基地や部隊を攻撃する「スタンド・オフ・ミサイル」の保管を念頭におくとしている。
また、沖縄・九州島嶼部における港湾施設や燃料タンクなどの整備も検討するとしている。燃料、弾薬、食料などの物資の輸送力を向上させ、有事の際に戦闘を継続するのに必要不可欠な補給、備蓄を手厚くしたい考えだ。
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これまでに、陸上自衛隊が対中有事の際に必要な弾薬数が現状より20倍以上必要だと見積もっていると明らかになっていた。迫撃砲やロケット弾などの陸自の弾薬の7割は、冷戦時代から対ソ連・ロシアを見据え北海道に備蓄しており、対中戦で最前線となる九州・沖縄には約1割弱しかないという。九州・沖縄では燃料や食料も全く足りていないといい、今後の防衛費の増額で弾薬とともに備蓄を増やせるかが課題となっている。
自衛隊の継戦能力をめぐっては、故・安倍晋三元首相も5月、「機関銃の弾からミサイル防衛の(迎撃ミサイル)『SM3』に至るまで、十分とは言えない。継戦能力がない」と述べ、防衛費の引き上げを訴えていた。与党・自民党は6月、5年以内の防衛力の抜本的強化を含めた「骨太の方針」のを了承。8月に明らかになった具体策には「弾薬や燃料の確保を含む持続性・強靭性」も含まれている。
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