日本政府は今年4月、段階的にロシアからの石炭輸入を制限し、やがては輸入を完全に停止すると発表した。期限は明確にされていないものの、このことは日本メーカーに少なからず影響を与えた。
「日本の大手鉄鋼メーカーと長期契約を結んでおり、私たちは関係良好で、信頼のおけるパートナー関係にありました。残念ですが、今現在は、我が社の石炭の日本への輸出はストップしています。日本側パートナーの申し入れによるものです。でも私たちは、ビジネス対話と私たちのパートナーシップを再開することができるよう望んでいますし、信じています。なぜなら、これはお互いに利益のある話で、日本メーカーにとって我が社の石炭は品質面で非常に満足のいくものだからです。輸出にあたっても、船で大量に運ぶこともできれば、小規模な製鉄所に少量届けることもできる利便性があります。ですから日本との協力関係を願っていますし、私たちは日本という国そのものに敬意を持って接しています。つまりは、対話の用意があるということです」
ロシアからのエネルギー資源購入といえば、中国やインドが思い浮かぶ。ツヴィリョワ氏も、フォーラムの枠内で行われたロシアとインドの発展展望をテーマにしたセッションでは「インド市場に興味があるし、発展の展望がある。近い将来に長期契約が結べることを願っている」としつつ、「インドは全く単純ではないパートナー。インド市場に長期で入り込むためには長い時間がかかる」とも発言している。
中国やインドと手を組むことで、日本や韓国との取引停止で失った利益をカバーできるか?との問いに対し、ツヴィリョワ氏の答えは「イエス」だ。
「すでに埋め合わせは始まっています。中国は日本と韓国が買っていたぶんの石炭を購入していますし、インドもロシアの石炭購入を含むロシアビジネスとの関係発展に興味を示しています。特に鉄鋼生産用の石炭に注目が集まっています。中国はインドよりも、もっと先に行動しています。とはいえ、市場は多様であるに越したことはありません。ですから私たちが、日本のことをパートナーとして見ていることは変わりありません」
関連ニュース