北朝鮮は新たな核保有国?
「外国メディアは現在、北朝鮮が自国の地位を法的にゆるぎないものにしたと報じている。しかし、金正恩氏の演説や北朝鮮メディアの報道を見ると、これはむしろ北朝鮮の核ドクトリンの承認だ。核保有国の地位について言えば、北朝鮮はかなり前からそれを主張しており、2012年には北朝鮮の憲法で同国の核保有国としての地位について言及された。そしてそもそも北朝鮮は何十年にもわたって核保有国としての地位について声明を出してきた」
「北朝鮮では、国防建設に関連するなんらかの行動は党の記念日のお祝いや、国家の形成などにタイミングが合わせられることが多い。西側諸国は今年1月に核実験の準備を予想し始めたが、正式にはいかなる実験も行われなかった。もしかしたら法令の採択は、一種の実験の代わりなのかもしれない」
要求する外交
「協議に関しては、北朝鮮が行動を起こさなかったとしても、状況は厳しい。ハノイで行われた金正恩氏とトランプ氏の最後の会談は、事実上、決裂に終わった。北朝鮮側によると、彼らは非常に良い提案を行ったが、米国は核プログラムの完全放棄など、一度にすべてを望んでいたため提案を受け入れなかった。その後、北朝鮮指導部は、米国と合意する可能性について失望した。米国の行動や当局者の発言を観察するならば、米国はいかなる譲歩をする用意もなく、北朝鮮に安全保障上の何らかの利益があり、原則的に北朝鮮には考慮して議論しなければならない何らかの合法的な利益があるかもしれないということを認める用意がないことは明らかだ」
国家存続の問題としての核兵器
「ロシアの専門家たちはずいぶん前から、北朝鮮は現在、複数の理由から自国の核能力を放棄する準備ができていないと言ってきた。まず、すでにある種の成果があり、力が注がれており、つまり、断念しなければならないものがあるからだ。2つ目に、北朝鮮はここに軍事力の重要な要素だけでなく、国家存続の保証も見出しているからだ。このような状況の中で、北朝鮮はいかなる協議の結果であろうと、いかなる非核化へも進むことはできない。そこで、『どうしたらいいのか?』という問いが生まれる。それならば、完全な放棄ではなく、少なくとも軍備の削減について議論する価値があるかもしれない。しかし今のところ、そのような協議は可能ではなさそうだ」