ドイツの大手トイレットペーパー製造業者「Hakle」が現在の状況に対応できず、倒産を宣言した。「Hakle」社は倒産の理由について、原材料とエネルギーの価格が大幅に急騰したのに加え、輸送費も大きく値上がりしたためだとしている。デア・シュピーゲルの記事によれば、「Hakle」社の指導部は、衛生紙用品に対する需要は、価格が高騰しても落ちたことはないが、出費分を小売価格に十分に乗せることができなかったと述べている。一方、記事では、ドイツの衛生紙用品のメーカーは、その生産を天然ガスに直接、依存しており、ガスや電気の価格急騰による影響がどのようなものになるのか、またロシア産のガスの供給が停止する可能性があることは2022年3月の時点ですでに、警告していたことが指摘されている。
また記事では、ハレ経済研究所の専門家の言葉を引用し、「企業による支払い不能の宣言が増えていることは、多くの会社が今後、徐々に出費の増大に直面し、ビジネス形態が収益のないものになっていくことを証明している」と伝えている。専門家によれば、現在、燃料エネルギーの価格の高騰に加え、国際的なサプライチェーンが停止しており、多くの輸入中間財の価格が不可逆的に高騰することになるという。また欧州中央銀行が発表した主要金利の追加利上げによって、状況はますます悪化すると見られる。これにより、企業の借り換えのための出費はさらに嵩むことになるからだ。さらに、独政府が10月初旬に最低賃金の引き上げを予定していることから、これも企業倒産のもう一つのきっかけとなると記事は指摘している。しかし、記事では、もっとも深刻な問題は、企業の倒産によって、生活費を得ることができない失業者が増大することだとの懸念が記されている。
トルコのエルドアン大統領が、欧州は自らが仕掛けた対露制裁によって、ロシア産ガスの供給停止を招き、それによるエネルギー不足に苦しんでおり、これは「自業自得」であると揶揄したというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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