日経新聞によると、JAXAの月面探査車の開発にはこれまでトヨタが参画を決めている。探査車全体の設計はトヨタが行うが、燃料電池システムにはホンダの技術が生かされる。
同紙は「ホンダは水を電気分解して燃料電池の燃料となる水素を発生させる装置の小型化技術に強みを持つ」と指摘。探査車をロケットに搭載させるためには小型化や軽量化が重要だといい、宇宙開発業界の進出を目指すホンダとしても技術の蓄積につなげたい考えだ。
月面車の定員は2人。非常時には4人まで乗車が可能で、車内の面積は13平方メートル。エネルギー源は燃料電池で化学反応を電力に変え、1万キロ以上を走破できるものを目指す。300度という昼夜の温度差、宇宙放射能、真空から飛行士を守るという難しい課題のほかに、月面の段差と重力が地球の6分の1であることも考慮にいれなければいけない。
「アルテミス計画」をめぐっては、8月末に米航空宇宙局(NASA)が最初のミッション「アルテミス1号」で無人のテスト便の打ち上げを予定していたが、直前に燃料漏れなどで中止になっていた。次回は10月に再度、打ち上げが試みられる見通し。
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