独、スイスによる国境付近での「核の墓場」建設計画に懸念

スイスが、核廃棄物の最終処分場をドイツとの国境付近に建設するとの計画を立てていることについて、ドイツはこれに深刻な懸念を表している。
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ドイツのテレビ局「ダス・エルステ」が伝えるところによれば、とりわけ、この最終処分場がライン河岸に作られる計画となっていることから、飲料水の確保が大きな問題になっているという。
スイス政府は、10年以上前から、核廃棄物の最終処理場の建設場所として、もっとも適した場所の選定を行ってきたが、ついに、その候補地を、ドイツとの国境に近いライン河岸の3つの場所に絞った。
テレビの報道によれば、スイス国立核廃棄物貯蔵協会の地質学者らが、候補地で掘削を実施し、この場所の土壌の強度が十分かどうか、とりわけ、数十万年にわたって核廃棄物を保管することができるかどうかを確認し、その結果、スイスとドイツの北の国境に位置する北部レゲレン地区を選定したとのこと。
しかし、政府が承認したこの計画に対しては、ドイツ国内でも、スイス国内でも反対の声が上がっている。
反対の主な論拠となっているのは、建設地選定プロセスの不透明さである。
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これに関連して、「ダス・エルステ」は、スイスの核廃棄物最終処理場の建設に関して、国民投票を行うよう提案している。
現在、核ゴミは、原子力発電所周辺の格納庫および2つの中間貯蔵施設に保管されている。
一方、テレビ局は、この最終処分場の建設が全会一致で承認されたとしても、国家核廃棄物貯蔵協会は、建設が完了し、稼働できるのは、2050年以降になるだろうとの見通しを示していると伝えている。
日本の核ゴミの最終処分場選定は、政府と国民の対話の問題であるとのニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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