懇談で両首脳は互いに協力すべき重要な隣国で、日韓、日米韓協力を推進していく重要性で一致。北朝鮮対応でも一致し、尹大統領は日本側の拉致問題対応への支持を表明した。また、懸案を解決して日韓関係を改善する必要性についても共有し、外交当局の協議や首脳間の意思疎通の重要性も確認したという。
これまでに岸田首相は、韓国側が日韓首脳会談の開催を外交慣例に反して一方的に発表したことに強い不快感を示したと報じられていた。岸田首相は、韓国大統領府が15日に国連総会に合わせて日韓首脳会談を実施することで日本側と合意したと発表したことを聞き、「それなら逆に会わねえぞ」と述べたという。今回、正式な会談の形をとらず「懇談」としたのは直前にこうした一悶着があったからかもしれない。
日韓関係の懸案事項となっている徴用工問題とは、日本統治時代の韓国で徴用で過酷な労働を強いられたとして韓国人元労働者や遺族が日本企業に補償などを求めている問題。日本側は1965年の日韓請求権協定で徴用工問題は「解決済み」だと再三主張してきた。
2018年秋には、韓国の大法院(最高裁)が新日鉄住金(現・日本製鉄)と三菱重工業に対し、それぞれの被害者への賠償を命令。しかし両社とも支払いを拒否し、被害者側は被告企業の韓国内資産を現金化するための手続きに入っている。
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