ゼレンスキー大統領は独ビルドのビデオインタビューに応じた中で、ドイツ国民に次のように語りかけた。
「人命を救おうとする場合、皆さんは他の国に依存していない。ですから、我々にこの兵器を下さい。お望みでないならば、それは皆さんの勝手ですが、真っ先に米国が、その次にポーランドが供与すべきだなんて言わないでください。それぞれが自らの責任を負うべきなんです。我々に戦車があれば、より多くの命を救えるのです」
大統領はドイツの軍事支援、経済支援に感謝しつつも、ウクライナが「勝利」するにはさらに多くの兵器が必要だと強調した。
「英国は実に多くのものを供与してくれました。米国も、多くのものを供与してくれました。自分を他の国と比べる必要はありません。ドイツは我々にとても良い兵器を供与してくれました。我々はマースII(多連装ロケットシステム)に感謝しています。財政支援にも感謝しています。そして我々はこの支援を他の国の支援と比較するつもりはありません。むしろ、戦車を供与する上では他国の手本になる必要があります。ドイツは欧州最大の経済国で、良い手本を示すことができます」
先にドイツのオラフ・ショルツ首相は戦車の供与について、単独でこの兵器を供与する考えを否定していた。
ポリティコ紙によるとウクライナ軍は東部ハルキウ州、南部ヘルソン州で反転攻勢を強めており、この作戦では戦車の配備が何より重要だという。そこでウクライナ軍は米国製戦車「エイブラムス」及びドイツ製戦車「レオポルド」を配備することで、より多くの成果を上げようとしている。ただし、これらの戦車は購入及び輸送上の困難があることから、米国は供与に前向きでない。現時点でウクライナに戦車を供与した国はポーランド一国。ポーランドは旧ソ連製のT-72戦車を250両、ウクライナに供与した。その代わりにポーランドは同数のエイブラムス戦車を米国から購入する契約を交わしている。
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