現在、ロシアの売り手が燃料を販売するために使う主な方法を紹介する。
積み荷のラベルを貼り替え
ロシアの石油製品がアジアに到達する方法は、大規模な陸上または水上の貯蔵施設を持つアジア地域の主要な流通拠点を経由するというもの。このような拠点では、ロシア産石油と他国の石油を混合することで、出荷前に他国の原産地のラベルを表示することが可能となる。「積み荷」を積極的にラベル変更することによって、ロシア産石油の中東やアジアへの出荷が増加している。2022年8月の石油輸送量は、アラブ首長国連邦向けが前年同月比で約5倍、シンガポール向けは25%増加した。同メディアによると、エジプト、中国、サウジアラビア、マレーシア向けの出荷も大幅に増加した。
船から船への積み替え
エネルギー分野で新たな対露制裁が発動されると、一部のバイヤーはロシアのサプライヤーと直接取引することを恐れているため、海上で積み替えするケースが増加するという。つまり、ロシア産エネルギーを搭載した船舶が、別の輸送船に積み替えた後、その輸送船はロシアからではなく、他の国から来たものとして目的地に向かう。2022年6月から8月にかけて、ロシア西部の港から運ばれる原油、軽油、重油の20%以上がこの方法でアジアに運ばれている。
発展途上国
同メディアによると、EU加盟国がロシア産石油を敬遠することで、ロシアの売り手はスリランカ、パキスタン、ミャンマー、インドネシアなどの発展途上国をダーゲットにする可能性がある。これらの貧しい国々は、高騰する輸入燃料の支払いに苦慮しているため、ロシア産の安価なエネルギー供給に対する誘惑は大きいという。インドネシアでは、国営石油会社「プルタミナ」がロシア産原油を処理するべく製油所の改修を始めている。
ロシアは制裁を受ける中、既存の石油輸出量を維持する方法を模索しているが、制裁を発動した国の国民はロシア産の燃料不足を実感している。スプートニクは以前、燃料不足やエネルギー価格の高騰に悩む欧州の人々が、冬の到来を恐れていると報じた。欧州の地域によっては、薪が不足しており、薪の盗難事件が確認されている。
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