ウクライナ情勢を背景に露米の緊張が高まるなか、これまでに米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)は、米国はロシア指導部との直接コンタクトをとる可能性を維持しており、積極的に活用していると宣言していた。
サリバン補佐官の発言について、オズナビシェフ所長は次のように指摘している。
「これは間違いなく良い兆候です。現在、ロシアは米国側とのコンタクトを取っておらず、キューバ危機のような状況になっている。しかし、当時も危機から抜け出す解決策、対話のチャネルがあったのです」
1962年、ソ連がカリブ海のキューバに核ミサイル基地を建設していることが明るみに出て、米国が海上封鎖を実施。一時は米ソの緊張の高まりから核戦争寸前まで達したが、ソ連のフルシチョフ、米国のケネディ両首脳を含む外交交渉によって危機を脱した。
「当時は首脳同士の対話によって危機から脱したわけですが、そのときに対話チャネルは今もある。つまり少なくとも、崖っぷちに立っているという兆候をお互いに送りあうことができる。どう危機から脱するかというのを意思決定者らは考えなくてはならないのです」
核兵器問題をめぐってロシア外務省のリャブコフ次官は26日、ロシアは核兵器使用の戦略を従来通り変更しておらず、米国との対話も中断していないと述べていた。
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