午後2時13分、葬儀副委員長を務める松野官房長官が開式の辞を述べ、国葬が始まった。その後、1分間の黙とうが捧げられ、国歌が演奏された。
岸田首相は葬儀委員長として追悼の辞を述べた。岸田氏は「安倍さん、あなたはまだまだ長く生きていてもらわなければならない人でした。日本と世界の行く末を示す羅針盤として、この先も10年、いや20年、力を尽くしてくださるものと、私は確信しておりました。残念でなりません。痛恨の極みであります」と述べた。
また岸田氏は「日本と地域、さらには世界の安全を支える頼もしい屋根をかけ、自由、民主主義、人権と法の支配を重んじる開かれた国際秩序の維持増進に、世界のだれより力を尽くしたのは、安倍晋三その人でした」と語り、「あなたはわが国憲政史上最も長く政権にありましたが、歴史はその長さよりも、達成した事績によって、あなたを記憶することでしょう」と述べ、「あなたが敷いた土台のうえに持続的で、すべての人が輝く包摂的な日本を、地域を、世界をつくっていくことを誓いとしてここに述べ追悼の辞といたします。安倍さん、安倍総理。お疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。どうか、安らかにお休みください」と結んだ。
安倍晋三元首相の国葬
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また国葬では、菅前首相が友人代表として追悼の辞を述べた。菅氏は「天はなぜ、よりにもよってこのような悲劇を現実にし、命を失ってはならない人から生命を召し上げてしまったのか。悔しくてなりません。悲しみと怒りを交互に感じながら、今日のこの日を迎えました。しかし安倍総理…とお呼びしますが、ご覧になれますか。ここ武道館の周りには花をささげよう、国葬儀に立ちあおうとたくさんの人が集まってくれています。今あなたを惜しむ若い人たちがこんなにもたくさんいるということは、歩みをともにした者として、これ以上にうれしいことはありません。報われた思いであります」と述べた。
安倍晋三元首相の国葬
© AFP 2023 / Eugene Hoshiko/POOL
また菅氏は「国難を突破し、強い日本を創る。そして真の平和国家日本を希求し、日本をあらゆる分野で世界に貢献できる国にする。そんな覚悟と決断の毎日が続く中にあっても、あなたは常に笑顔を絶やさなかった。いつも周りの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8カ月。私は本当に幸せでした。私だけではなく、すべてのスタッフたちがあの厳しい日々の中で、明るく生き生きと働いていたことを思い起こします。何度でも申し上げます。安倍総理、あなたは我が国日本にとっての真のリーダーでした」と述べた。
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