日本人領事拘束事件 「日本側の抗議に根拠なし」=駐日ロシア大使

ロシアのミハイル・ガルージン駐日大使は27日、ウラジオストクで拘束され国外退去処分となった日本人外交官の行為について、領事関係に関するウィーン条約違反であり、ロシア側は日本に謝罪を求めなければならないとの認識を示した。
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事件を受け松野官房長官や林外相らがロシア側を非難したことについて、ガルージン大使は「日本側がロシアの治安当局に対して批判的で否定的な態度を表明している」と指摘。そのうえで、「当該外交官がロシアの法律に違反し、ロシアの安全保障に損害を与えたため拘束された」と説明した。
また、ガルージン大使は当該外交官の行為について「自らのステータスに反するもので、ロシアの法律や領事関係に関するウィーン条約に違反するものだ」と強調した。
在ウラジオストク総領事館の外交官拘束 日本大使館は露外務省に抗議
日本側が謝罪を求めてきたことに対しては、すでにロシア側は抗議したとしたうえで、次のように述べている。

「ロシア側には断固抗議する根拠がある。そして、こうした日本の外交官の行為に関して謝罪を求め、今後ロシアで日本人外交官による同様の行動が繰り返されないように求める根拠がある。ロシアの治安機関はロシアの法律に基づいて動いている。日本側の抗議には根拠がなく現実を反映したものではない」

FSBは26日、スパイ活動を行ったとして在ウラジオストク日本総領事館の領事、モトキ・タツノリ氏(ロシア語原文ママ)を拘束したと発表した。FSBによると、モトキ氏はロシアと「アジア太平洋地域のうちの一国」との協力やウラジオストクが位置する沿海地方における西側諸国の対露制裁の影響に関連した秘匿情報を、金と引き換えに入手するなどのスパイ活動を行い、ロシアの法律に違反したとしている。FSBの公開したビデオには、モトキ氏が罪状を認める様子が映っている。
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