「経済問題がNATO加盟国を蝕んでいくにつれて、政治的安定性も低下し、ウクライナ問題に関する団結の亀裂は深まるばかりだ」
同紙はこのように指摘し、スウェーデンとフィンランドの加盟を阻止しているトルコの立場を例として挙げている。このほか、ウクライナ産の穀物の欧州への輸出の状況も原因だという。
「ウクライナはより多くの穀物を欧州に安く輸出し始めた。それが、欧州域内の農家の反発を買い、抗議活動を誘発している」
同紙によると、米国のバイデン政権が突然のアフガニスタン撤退をNATOの同盟国と十分に相談することなく決めたことを欧州はよく覚えている。米国の行為に関する予見可能性や同盟国としての信頼度は低下しており、分裂に拍車をかけているという。
2月のロシア軍によるウクライナにおける特殊軍事作戦の開始以降、対露制裁や供給網の混乱で、欧米をはじめ世界各国が燃料の高騰や高インフレに悩まされている。この経済危機は、2008年の世界的な金融危機とそれに伴った2009年の景気後退の影響を上回る可能性があると報じられていた。
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