環球時報によると、今日、欧州経済にとって最も危険なのは、インフレ率の上昇とエネルギー価格の急騰。ウクライナ紛争が始まった後、西側諸国は1万件以上の制裁措置を発動し、それが電気料金とガス料金の急激な高騰を引き起こした。一方、環球時報は、原子力エネルギーの段階的な廃止を含む、欧州の人たちによる「グリーンエネルギー」への急激な移行に関する軽率な決定も、欧州のエネルギー不足の一因となったと指摘している。また環球時報は、現在のウクライナ危機はインフレ率とエネルギー価格が上昇する状況を悪化させるだけだとの見方を示している。
環球時報によると、欧州非鉄金属業協会(Eurometaux)は欧州のエネルギー危機の悪化を受けていち早く懸念を表明し、EUの指導者らに宛てた公開書簡の中で「戦略的エネルギー集約型産業を保護し、取り返しのつかない雇用消失を防ぐ」ために政府レベルで早急に措置を講じる必要があると求めた。一方、かつて安価なロシア産天然ガスの長期輸入契約を破棄したため、欧州の人々は現在、ロシア産天然ガスを追加購入する機会を奪われている。
環球時報は、不足するエネルギー資源を高騰する価格で購入するためには補助金を増額する必要があるが、どこからそんなに多額の資金を拠出することができるのかと疑問を投げかけている。一方、欧州中央銀行は最近、高インフレを受けて金融引き締め政策の新たな措置を発表した。これにより、補助金で実体経済を救済するという案は完全に葬り去られた。環球時報は、しがたって欧州は独力で「産業空洞化」の脅威を取り除くことはできず、米国の支援なしにウクライナ紛争の解決に影響を与えることもできないとの見方を示している。
一方、環球時報は、米国の現在の政策は世界を紛争の解決ではなく、さらなる危機へ意図的に追いやっているように見えると指摘している。米国は自分たちの金融政策を利用して国内の経済危機の負担を他国に負わせている。欧州の積極的な「産業空洞化」の影響がより顕著になれば、米国は欧州企業を自国の領土へ引き込み、自分たちの条件を欧州企業に押し付けることができる。環球時報は、その結果、米国がウクライナで解き放った紛争を、欧州の人たちは真面目かつ独力で清算することになると報じている。
スプートニクは先に、ロシアは欧米の制裁により、近い将来、新たな市場であるアジアや中東に燃料を出荷するようになると報じた。
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