人類が消費するエネルギーの半分は暖房に使われ、そのうちの約50%が家庭での暖房や給湯に費やされている。水素燃料は、環境活動家によって環境グリーンエネルギーへの移行において化石燃料に変わるソリューションとして推進されている。しかし、ロスナウ氏によると、水素燃料を使う暖房は従来型のものや、最も高価な革新的技術であるヒートポンプや太陽熱集熱器よりも高価だという。
同氏によれば、水素エネルギーを住宅の暖房に使うという構想には、普及を阻む大きな欠点がある。
現在メタンを運んでいる配管に、水素を通すことはできない。
家庭や企業の配管を完全に取り替えるなど、技術面での大幅な変更が必要となる。
太陽光発電や風力発電で製造できる水素の割合は、化石燃料から製造できる水素の割合に比べて、計り知れないほど少ない。
発電効率は70%と低い。一方で、従来型の発電効率は85%を超えている。
ロスナウ氏は、水素燃料への移行について全面的に反対しているわけではない。同氏は、大規模な産業プラントのグリーンエネルギーへの移行において、水素燃料が重要な役割を果たすことに注目している。このカーボンフリー燃料の低いエネルギー効率を活かせば、化石燃料にしかできないと思われていた何百度という高温を発生させることができるためだ。しかし、家庭向けの場合、水素燃料の使用は経済的コストの増加だけでなく、資源の消費量の増加、環境負荷が増えることが考えられるという。
これよりも前、スプートニクは、日本政府が水素を運搬する船舶を受け入られる港を複数整備する方向で調整に入ったと報じた。
関連記事