クリミアの地元当局は爆発直後、けが人はいないとしていたが、連邦捜査委員会はその後、爆発で3人が死亡したと暫定情報として発表した。
同委員会は刑事事件として捜査を進めている。これまでの調べで爆発した車両の所有者が露南部のクバン地域の住民であることが判明。家宅捜索を行うなどして、爆発までの経緯や橋へ至ったルートを調べている。
また、爆発を受けてロシア外務省のザハロワ報道官は、SNS上の自身のページに次のようにコメントしている。
「民間インフラ破壊に対するウクライナ政権の反応は、そのテロリスト的な本髄を表している」
爆発後、ウクライナのゼレンスキー大統領の顧問を務めるミハイル・ポドリャク氏は「クリミア、橋は始まりに過ぎない。ロシアによって占領された全てのものは追い返されるのだ」と犯行声明ともとれる投稿をツイッター上に公開していた。
また、露連邦保安庁(FSB)元長官のアレクサンドル・ミハイロフ氏は次のように述べている。
「もはや誰にとってこの爆発が必要で、誰が決行したか、考えるまでもない。ウクライナはクリミア大橋の爆発の必要性と可能性を一度ならず訴えてきたのだから」
ミハイロフ氏は破壊工作は複雑ではないものの、計画的な犯行だと指摘する。また、貨物自動車と鉄道橋上の燃料タンク車が同時に爆発したことから、時限爆弾ではなく、何らかの電波送信器具を使って起爆した可能性が高いとみている。
露国家反テロ委員会によると、現地時間8日午前6時7分(日本時間同日午後0時7分)ごろ、ロシア南部クラスノダール地方のタマン半島とクリミア半島をつなぐ自動車専用道で貨物自動車が爆発した。並行して通っている鉄道線の7両の燃料タンク車に引火し、大規模な火災が発生。火はほぼ消し止められたが、自動車道路の一部は崩落しており、現在も通行止めとなっている。一方、鉄道の運行に関しては、8日午後8時(日本時間9日午前2時)を目処に再開される見込み。
クリミア大橋は全長約19キロメートルでロシア最長の橋。クリミア半島とロシア南部を結ぶ重要な物流拠点となっている。2018年5月に自動車道路が、2019年12月には鉄道部分が開通していた。
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