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太古の生物の死骸が巨大地震を誘発? NZ研究

日本では昔、「地中のナマズが暴れると地震が起こる」と信じられていた。一方で、南太平洋の地震大国・ニュージーランドの研究チームはこのごろ、海中に堆積した太古の生物の死骸が、巨大地震の発生に影響を与えている可能性があるとする論文を発表した。研究の内容は科学誌「Lithos」に掲載されている。
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ニュージーランドのビクトリア女王大学の研究チームは、北部にある同国最大の沈み込み帯「ヒクランギ」を調査。ここは太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界となっており、一方がもう一方の下に沈み込んでいる。周辺では過去にマグニチュード8以上の地震が頻繁に発生している。
研究によると、このプレートの境界となっている海底には、数百万年前のプランクトンなどの海洋生物の死骸から出た方解石が堆積している。この方解石がプレート間の動きと摩擦を制御している可能性があるのだという。
方解石が大量に溶解した場合、「潤滑油」の役目を果たすことで知られている。それが海底で起これば、プレートがお互い押し合うことなく滑りやすくなるが、溶解しなければ逆にプレートの動きを止め、ある時点で溜まったエネルギーが急激に暴発するとみられている。
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方解石が溶解する条件は低い温度と高い気圧が条件となる。深い海底は地球のマントルに近いことから、1キロ潜れば約10度上昇するというから、温度は必要以上に高くなってしまう。このため、地表のはるか奥深くに溜まった方解石は溶けることなく、むしろプレートの境界にエネルギーを溜め続ける。ある日そのエネルギーが一気に放出され、結果的に巨大地震を誘発している可能性があるという。
ニュージーランド周辺では50年以内に26パーセントの確率で巨大津波を伴う大地震が起こると推定されている。プレートの境界は海深くに位置しており直接観測できないため、地震発生を予測することは難しい。
だが、海底に堆積した方解石について明らかにすることで、プレートの沈み込みなどの地震のメカニズムをより深く知ることにつながるとして、チームは研究を続けるとしている。
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