日本はロシアとの平和条約締結の方針を堅持=松野官房長官

19日はソ日共同宣言から66周年を迎える。日本の松野官房長官は18日午前の記者会見で、ウクライナ情勢により日露関係は厳しい状況にあるとしたうえで、日本政府は領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持していく考えであることをあらためて示した。
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松野氏は記者の質問に答える形で「1956年10月19日に署名された日ソ共同宣言は、日ソ両国間の外交関係を回復させるとともに、その後の平和条約締結に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的な公的文書であると認識している」と述べた。
今年3月21日、ロシアは平和条約交渉を継続しない旨を発表。松野氏は、こうした措置はウクライナ紛争に起因して発生している事態の「すべての責任を日本側に転嫁するもの」とし、日本政府として「断じて受け入れられない」と強調した。
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岸田文雄首相は10月3日の所信表明演説の中で、日本はロシアと平和条約を締結するという方針を堅持するとの考えを示した。一方で、引き続き対ロシア制裁とウクライナ支援を行っていくと表明。それに対しロシアのドミートリィ・ペスコフ大統領報道官は、現在の状況では日本との平和条約交渉は不可能であるとの認識を示した。
2018年、ロシアのプーチン大統領と日本の安倍元首相は、平和条約締結を見込んだソ日共同宣言を基本に交渉を加速化することで合意した。ソ日共同宣言は両国間の戦争状態の終結、さらに日本の管理下への移行は平和条約締結後にはじめて行われるという条件の下、シコタン島(日本では「色丹」表記)およびハボマイ(同「歯舞」)群島の日本への譲渡を定めている。
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