記事によると、外交官やアナリストの中には、NATO(北大西洋条約機構)加盟国であるトルコとギリシャの間で本格的な戦争が起こると予測する者すらいる。また、欧州の多くの高官は、この脅威がますます深刻化し、重大な結果につながる可能性があると指摘している。
エルランガー氏は「NATO加盟国であるギリシャとトルコの間で高まっている緊張は、ロシアに対する結束を維持し、経済・エネルギー危機に立ち向かう欧州の取り組みに、新たな複雑な局面をもたらす恐れがある」と考えている。
記事では、トルコはすでにNATOのパートナー国にとって問題が多く、予測不可能な同盟国となっていると指摘されている。トルコ政府は、ロシアとウクライナの仲介役として積極的に関与し、特にウクライナの穀物輸出を認める取引を行っている。それにもかかわらず、エルドアン大統領は対露制裁を放棄し、プーチン大統領との距離をさらに縮めているため、米国から懸念されている。
トルコの経済状況の悪化、インフレ率の上昇、リラの下落を背景に、エルドアン大統領は国内問題から国民の目をそらそうと予期せぬ決定を下す可能性があり、ギリシャに対するレトリックの激化は、現在、特に注目されているとエルランガー氏は指摘する。
トルコとギリシャの関係は、8月23日以降、急激に緊張した。トルコ政府によると、NATOとしての任務を遂行中のトルコ軍戦闘機「F-16」がエーゲ海上空でNATOの任務遂行中に、ギリシャがロシア製対空防衛ミサイル「S-300」を作動(ロックオン)させた。トルコ政府は、ギリシャによる「ロックオン事件」をNATOレベルで提起するつもりだと表明した。
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