燃料不足のドイツ、来春に脱原発へ 日本とは対照的

ドイツのオラフ・ショルツ首相は18日、来年春に国内の全原発を停止すると明らかにした。燃料価格の高騰を受けて原発再稼働に動く日本とは対照的だが、エネルギー安全保障は担保されるのだろうか。
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「以前決定した通り、原子力エネルギーから撤退することになる。(2023年の)4月15日にすべての原発は終わりだ」

オラフ首相はドイツ労働組合の代表者らとの会談でこのように述べた。
当初ドイツは2022年中の脱原発を目指しており、年初には6カ所残っていた全国の原発のうち、3カ所を停止していた。だが、ウクライナ情勢をめぐる対露制裁などによるエネルギー危機を受け、残りのうち2カ所は2023年3月まで運用を延長していた。
JETROによると、2021年のドイツの資源別発電量の内訳は、石油・ガスなどの化石燃料が44パーセント、太陽光・風力などの再生可能エネルギーが39パーセント、原子力が12パーセントなどとなっている。以前から脱炭素社会を目指してきたため、外国への資源依存は比較的少なくなっているものの、いまだに半分弱を占める化石燃料の供給が危機にあるなか、脱原発を強行するのはエネルギー安全保障の観点から不安が残る。
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資源の94%を海外からの輸入に頼っている日本の対応とは対照的だ。
日本政府は福島第一原発事故の後、反対世論を懸念して原発の稼働をほぼ全面停止する政策を続けてきた。だが、昨今のエネルギー危機を受けて、岸田文雄首相はここぞとばかりに原発回帰の方針を示している。原発事故後に再稼働した10基の原子炉に加え、さらに7基を再稼働すること、次世代原子炉の建設や運転期間の40年から60年への延長などをすでに表明している。
読売新聞などによると、西村経済産業相は18日、「原子力発電所の再稼働を進めれば、LNGの輸入が減れば収支が改善し、円安を和らげる要因になる」と述べ、原発推進が経済対策にもなると指摘。政官一体となって原発利用を含めたエネルギー安全保障体制の確立に動いている模様だ。
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