ドイツで病院、英国ではパブが閉鎖 欧州の冬はどうなる?

欧州は冬の足音により敏感に反応している。欧州はロシア産ガスのない冬に備えてはいるが、それでも多くは今まで通りにはいかない恐れがあり、送電、エネルギー配給の停止という最悪のシナリオも視野に入れている。
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最悪のシナリオは、ヨーロッパ大陸を長引く寒波が襲うこと。これに備え、欧州ではすでに冬場の電力不足を防ぐために電力消費を抑えている。
イタリアのロベルト・チンゴラーニ環境移行相はウォールストリートジャーナル紙からの取材に対して次のように答えている。
「この冬は恐怖 と 不確実性 に支配されるだろう。異常低温などのカタストロフィーがなく、消費をコントロールすることができれば、うまく乗り切ることができるだろう。そうした事態にならないよう期待するしかない」
チンゴラーニ大臣は、「実際の問題は不足ではなく、価格設定だ。市民は支払い能力がなくなり、企業は閉鎖の危機にさらされかねない」と補足している。
ガス料金の高騰が原因で安泰なはずだった欧州の市民の「越冬」計画は危機に瀕してしまった。
ドイツでは、物価の上昇で病院が閉鎖を迫られるところまで事は達した。現在、当局は自治体の機関の財政支援の方法を検討している。
カール・ラウターバッハ独保健相は「迅速に対応しなければ、閉鎖もあり得る」と事態を認識している。
一方でラウターバッハ独保健相は、個人の住宅の場合は他の施設、特に自治体付属の病院とは異なり、断熱性が高く、より効率の高いエネルギー供給が部分的に可能なため、状況が異なると指摘している。
「投資コストの面で長年放置されてきた病院が今度はエネルギーコストの面でも不利な立場にたたされることがあってはならない」ラウターバッハ独保健相はこうした見解を表した
医療分野では当局からの協力が仰げるとしても、民間企業は企業家が自らの運命を決めざるをえない。
英国では一部のパブが春までの一時閉店を余儀なくされている。デイリーメール紙はこれをエネルギー、食料品、スタッフの給料などにかかる多額のコストを避ける方策と報じているが、パブ閉鎖は、伝統的な繁忙期であるクリスマスに重なっている。
すでに一部のパブでは省エネ体制を導入しており、ラストオーダーは午後9時、料理を出す時間は1日3時間に限定、さらには節電のためにキャンドルを使用する店まで出現した。
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パブのオーナーはデイリーメール紙からの取材に、電気代の支払いが3倍に膨れ上がり、すでに今の時点で自分の懐を痛めて負担していると答えている。だが、冬には費用はさらに増えるため、自力では乗り切ることができなくなる。
そうした一方でパリの市民らは電気料金の高騰や物価上昇の歯止めを求めて抗議集会を開いており、パルクールたちは独自の節電方法を考案した。
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